[～急成長の背景に婚姻の変化 ]

中国のブライダル産業急成長の背景に、婚姻そのものの変化があることを見逃すことはできない。一つは日本同様に中国においても晩婚化が進んでいることである。都市部においてはこの傾向が顕著である。

晩婚化の要因は、ライフスタイルの多様化に伴う結婚観の変化、あるいは女性の高学歴化によるキャリア志向の高まりと高収入化など、日本のそれとなんら変わりない。さらに女性は、不動産を所有していることを結婚の条件とする人も多く、男性は一般的に不動産や車を用意してから結婚に踏み切る人が多い。

中国の結婚では、様々な衣装でロケーション撮影まで行い、芸能人の写真集さながらの豪華な「ウェディングアルバム」を作成したり、花飾り等で派手に装飾された高級車で花嫁を送迎する「花嫁車列」など独特の習慣があり、これらのサービスも中国ブライダル産業の重要な構成要素となっている。

結婚の前提条件でもあるマンションの購入などを加味すると、結婚に関連する消費行動のマーケットへのインパクトはきわめて大きい。中国において結婚がもたらす経済効果は、まさに計り知れないと言える。

「China Brand News 2011 WINTER」（2011年12月発刊）より抜粋