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[~アウトドアライフスタイルが生活に定着]

 

国内旅行者数が年間で述べ12億人に達するとされる中国は、まさにレジャー大国。中国の人々の収入水準が高まり、高い生活レベルを求める人々が増える中、これまではそれほど浸透していなかったアウトドアへの人気が高まっているようだ。

寒くなってきた上海の街中では、防寒着としてアウトドアウェアを身に着ける人々が目立つようになって来た。上海のアウトドア市場は、圧倒的にアパレルが主体。ビジネスの場でもカジュアルなスタイルが受け入れられやすい中国では、普段からスポーツウェアを着ている人も多く、ちょっと派手目なカラーリングのアウトドアウェアがむしろ好まれるのかも知れない。中国で展開するブランドの多くショッピングモール、デパートなどでは、来店客層が求める品揃えにするために必然的にアパレルが中心となっている。

一方、本格派のアウトドアマニアも相当数いるようで、彼らは、機能性を求めて海外ブランドを好んで買い求めている。

日本でも、すこし前から「山ガール」の出現が話題になり、オシャレなアウトドアウェアを販売する店が増えるなど、ちょっとしたアウトドアブームが続いているが、中国はまさにこれからの市場と言えるだろう。

中国の広大な国土には豊富な自然が存在するのに加え、その国土の広大さゆえ、南北の寒暖差や海岸部から砂漠地帯まで、その自然の種類も変化に富んでいる。

上海では本格的な登山やキャンプなどをする機会がほとんど無いため、店がアウトドアツアーの集客を行ったりもしている。長い休みには雲南省やチベット、新疆にまで足を運ぶツアーも開催される。また、これまでは外国人客の比率が高かったが、ここ数年は中国人の比率が高まってきている。入門レベルでは、手ごろな価格のアウトドアウェアやアウトドアギアを購入するが、例えば雨の中での登山や冬場のキャンプなど、アウトドアでの経験が多くなればなるほど、ハイエンドの高機能高品質製品を購入するようになっていき、これは日本における傾向と変わりない。これまでは、ハイエンドアイテムを購入は主に外国人だったが、中国人のニーズも高くなっている。

「China Brand News 2011 WINTER」(2011年12月発刊)より抜粋