発覚! 食肉偽装

大手ファーストフード、コンビニに衝撃!!

 

 7月21日、ある衝撃的なニュースが流れた。

 そのニュースを見てしまった私は、どうしても「行きたい」という衝動に駆られ、早速行ってきてしまった。

 どこにって?

 もちろん、上海市内のマクドナルドである。

 

 事の発端は7月21日付で中国国内の各メディアが伝えたあるニュース。いわく、

 「上海のファーストフード店に食材を納入している食品メーカーで、大量の違法行為。期限切れ食材を納品!!」

というものである。

 

 報道によると、今回摘発されたのは上海福喜食品有限公司。アメリカ資本の食品加工会社で、上海市の郊外である嘉定区馬陸に工場を構え、国内のファーストフード店などに加工肉食品を供給していた企業である。

 では、その工場で発覚した今回の問題。まずは、どういった違法行為があったのかを見てみよう。

 

 1.期限切れ鶏肉ナゲット

   期限切れの鶏皮と鳥の旨肉をミンチにかけていたことが。メディアの潜入調査では、本来、保存期限が生産日から6日間程度しかないのであるが、同社では   半月以上も経過した食材を利用していたという。

 

 2.カビの生えた牛肉ハンバーグ

   ハンバーガーで利用されている肉も同社で生産されていたが、一部では「カビの生えていた食材も利用していた」との報道も。またその生産過程において     も、床に落ちた肉も「残さず機械に戻して利用していた」姿が明るみになり、こちらもまた大きな反響を呼んでいる。

 

 さらに大きな問題となっているのが、同社の納入先が1社、2社だけではなく、名前が挙がっているブランドだけでもケンタッキー、マクドナルドの大手2ブランドを始め、ピザハット、スターバックス(おそらくはサンドイッチなどに使われる素材)といったチェーン店がならび、しかも上海店のみならず中国各地の店舗に発送されていたため、騒動は全国規模に広がっている(一部、名前は上がったが実際には同社商品を使用していないなど、情報が錯綜している)。

 現在、上海市の関連部門が同社を封鎖。社内の製品、素材などを厳しい管理の下の検査を行なっている。さらには、各ファーストフード店でも同社から納入された商品には封をし、行政指示を待つといった対応を行なっており、部分的な商品が提供できないなどの影響が出ている。

 

■上海市内のマクドナルドを「視察」すると…?

 冒頭の話に戻るが、このニュースが流れた当日、筆者はさっそくオフィス付近のマクドナルドを尋ねてみた(野次馬根性? いやいや、やはり調査員としては現場を見ねば)。

 毎日お昼になるとホワイトカラーで一杯になり、接客が追いつかなくなるこの店舗だが、今日はほぼ並ばずに注文できてしまった。周りを見回すと、テーブルは埋まってはいるが、いつものような「混雑さ」は見られない。

 また、ちょっと携帯を出して写真を撮ろうとしたら、カウンター内のマネージャーが、私の近くにいた店員を呼び、なにやら耳打ち。「なんか止めといて上げたほうが…」という勘が働き、とりあえず携帯をしまった私であった。

 で、注文。カウンターを見ればなにやら張り紙がしてある。「本日は一部の商品が提供できません。一刻も早くご提供を回復するよう努力いたします」といった意味合いの内容であった。さらには注文時に(お気に入りのスパイシーチキンバーガーを注文)、試しにスパイシーチキンを注文したら「本日はご提供できません」という回答。ついでに「今日のハンバーガーにはレタスが入っておりませんがよろしいでしょうか?」という一言が添えられるなど、微妙に「非常事態っぽさ」がにじみ出ていた。

 とはいうものの、客足がまったく遠のく雰囲気ではなく、昼と言うこともあり席も埋まっている模様(平時に比べれば空いているが)近くのスターバックスでもコーヒーを買い求める消費者の姿が多く見られた。

 

 この事件、連日各メディアやSNSなどでも多く語られている。昨夜もテレビのニュース報道(上海のテレビ局・東方テレビなど)では、同社の品質管理部門にもインタビュー。その中では「こうした期限切れ材料の“再利用”は上からの指示」といった発言が飛び出し、さらなる物議を呼ぶなど、しばらくは収まりそうもない

 中国では、消費者意識の向上から、特に食の安全性に対して注目が集まっている。こうしたなかで起こったこの事件、どのような終局を迎えるのかは、現在でも予想できない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スパイシーチキンは通常通り販売

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と思いきや、レタスが入ってない!!