子ブタでプロデュース??

奇抜なプロモーションで注目を集める上海の新商業施設「K11

 

 微博(中国版ツイッター)上で、ある商業施設が話題になっている。それは「K11」。『China Brand News Vol.16』でも紹介した、アートとショッピング、グルメを融合させた商業施設である(同誌58ページ参照)。

 しかし、微博で話題になっているのは出店ブランドでもお得なキャンペーンでもない。「子ブタ」である。上海市内のハイエンド繁華街にある同施設内にはなんと「子ブタ」が飼育されているのである。しかも6匹。

 

 同施設では、アートとショッピングの融合というコンセプトともに、もうひとつ「自然との調和」も歌っている。その表現として、3階フロアに菜園を設けており、トマトなどが栽培されている。その菜園内にお目見えしたのが、6匹の小ブタというわけである。

 これが当に的中。微博上には消費者の「子ブタ見た!」の書き込みがされると、「カワイイ!」、「まだ行ってない!」、「ついに見た」などの転載がされ、主に若者の間でのホットな情報となり、多くの消費者を呼び込む形になっている。

 ちなみに微博を読み込むと、小ブタを見たついでに食事に行くという消費者が多い。実際、子ブタ園のすぐそばには「合点寿司」を含むレストランが並んでおり、そこでの消費底上げに貢献しているようだ。

 

 ご存知の通り商業施設が乱立し、激しい消費者争奪戦が行われている上海。そうした状況下では、消費者も「ありがち」なキャンペーンや会員制に慣れきっており、すでに集客の決め手にはなりえない。どの商業施設も新たな集客用の仕掛け作りが求められており、頭を痛めているところだ。

 その競争から頭一つ抜け出しつつあるのがこのK11だろう。秘密はやはり商業施設にこれまでにないテーマ性を持たせたこと、そして、それに沿った「いい意味で消費者のウラをかく」セッティングをしていること。これまでの価格やブランドのネームバリューとは違ったアプローチが、ターゲット消費者の「琴線に触れた」のである。

 

 ただ、現時点では新鮮感、物珍しさによっての集客がなされているが、問題はそれを同持続させるかである。同施設には地下3階にアートスペースが設営されているため、これらを使ったイベントが予想される。

 次はどんな手で消費者の度肝を抜くのか、次なる一手が注目されている。

 

人気を集めている上海の商業施設・K11。右は3階の菜園の様子(China Brand News Vol.16より)

 

話題となっている小ブタ(撮影:矢野経済信息諮詢(上海)スタッフ)

 

微博上でも若者を中心に同施設の小ブタの話題で盛り上がっている